税金ムダ遣いも「安全保障」? 内部告発と特定秘密保護法案
税金ムダ遣いも「安全保障」? 公益通報の証明には自腹で裁判が必要?
国会で、こういう内部告発は「特定秘密保護法違反にあたらない」との明示を願う
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税金ムダ遣いの内部告発者として、本法案についての懸念を書きます。
私は日本労働研究機構という国の労働問題研究所で働いていましたが、そこでは本省から天下った官僚たちが、毎月「外交」「安全保障」名目で散財をしていました。それも、飛行機はファーストクラス、ホテルは五つ星のスイートルーム、現地ではゴルフ、観光、グルメざんまい。
これも国の「安全保障」費に計上されていました。
というのも、米ソの冷戦下にあった1980年代までは隠れた外交方針があり、それを錦の御旗にすれば税金から青天井で海外旅行費をもらえたからです。「西側諸国」の一員として「反共の砦」作りのため、アジア太平洋諸国に、たとえば「ファクシミリ機器」を贈呈しに行くといえばよかったのです。ソ連崩壊後は、旧東欧諸国の共産体制への揺り戻しを防ぐと言えば東欧歴訪の旅ができます…。
私も参加しましたが、実質は、税金をつかったただの海外観光旅行でした。
私はこういった実態を2001年に「週刊朝日」で内部告発したところ、研究所側から「職務上知ることのできた秘密をもらした」として減給をされました。
辞職し、名誉回復と減給の撤回のために、2003年に裁判をおこし、一審敗訴、高裁で逆転勝訴、2005年に最高裁で勝訴が確定しました。その間は心的・経済的にとても辛いものでした。
その後2006年に公益通報保護法ができたが、保護されるのは刑法などの法令違反に限られ、税金のムダ遣いの通報や経費の私物化などは対象になりません。また、マスコミへの告発は制限されており、こちらも「公益通報封じ込め法」と皮肉られるぐらいに問題の多い法律です。
秘密保護法制定にあたり、国会で、大臣は、私のような内部告発は特定秘密にあたらないと明示してください。そうすれば、志ある公務員の告発を助け、国による懲戒処分の濫用を防げるからです