中断していた父の痴呆の続きです。
電話がとまった父の家を民生委員の人と見にいくと、父が出てきてしばらく話しました。「そういえば、電話最近かかってこないなあ」とのこと。「前は銀行から自動落ちだったのに、最近請求書が来るようになった。でも、近所のNTTからは電話代が払えなくて、わざわざターミナル駅の大きな支店に行ってくれと言われてそのままにしていた」そうです。
でも、何よりもショックだったのは、10分以上そこで立ち話をしてから、ようやく、父が「なんだ、亜紀か」と言ったことです。父は老人性黄斑変性症という病気で視野が狭くなり、私のことがすぐにはわからなかったのです。
それでも気をとり直して通帳を調べると、自動落ちになっていた電話代が、最近おちていませんでしが、残高が足りないわけではありません。父のかわりにNTTに問い合わせると、やっと事情がわかりました。
「お父様は、4月まで自動引き落ちの契約をしていましたが、5月にKDDIのサービスに切り替えて、契約解除になりました。その後3ヶ月でKDDIをやめてNTTに戻っているんですが、請求書をお送りしても、お支払いいただいていません。再度自動落ちにするには改めてお申し込みが必要です」とのこと。
父に確認すると、「勧誘が来て、おもしそうだから申し込んだ」とのこと。
実は、KDDIには私も苦い思い出があります。ファクシミリを買うときに、「電話番号を変える必用ありません。4000円のキャッシュバックがある上に通話料も安くなります」と言われ、つい契約して、NTTで受けていたISDNの割安プランが使えなくなり、かえって月の電話代が2万円ぐらいに増えてあわてて戻したことがあります。手続きはとても面倒でした。高齢の父がひっかかってしまうのもしかたありませんが、ライフラインのサービスでの老人への無責任な勧誘は自粛してほしいと思います。
とにもかくにも、父に電話代を払ってもらい、銀行の自動落ちの手続きを進めることで、一件落着しました。