父の家の電話がつながらなくなりました。電話代が払えないのでしょうか? でも主に安定した年金生活なのにどんな事情で? 詐欺にでもあったのでしょうか? ただ、元文学青年にして世事に疎い父のこと、手続きミスの可能性が多いので、あわてず、次の週末に様子を見に行きました。
父の家に着きました。ドアをノックしても答えがありません。困って通りに出ると、公民館が目に留まりました。中に入ると、集会が終わったばかりのようで、女性の方が残っていました。近所の人なら何か知っているかもと、思い切って声をかけました。
「すみません。すぐ近くに住む父のことでご相談したいのですが・・・・・・」
ラッキーなことに、その方は民生委員の方でした。民生委員とは、厚生労働大臣に委嘱され地域の福祉に協力する人です。祖父も母も民生委員でしたので、私にはなじみがありました。その民生委員の方は、私の話を聞いてくれ、
「私はそこの担当ではないから、担当の人呼びますね」
と言い、携帯電話をかけると、すぐに、年長の民生委員がやってきました。その方に事情を話すと、
「あら、この前、敬老の日のお菓子配ったばかりよ。お元気でしたよ」
自治体では、敬老の日に高齢者に記念品などを配っているそうです。ひとまず安心。でも、ともかく見に行こうということになり、父の家までつきそってくれました。民生委員の方が外から大きな声をかけると、やっと、のんきな顔をした父が今まで寝てたというような様子で出てきました。無事でなによりです。民生委員の人を交え、そこでしばらく立ち話をしました。すると、ショッキングなことが明らかになりました。